- このページのポイント
- 始めに
- 緋村剣心
- 相楽左之助
- 斎藤一
- 志々雄真実
- 瀬田宗次郎
- 四乃森蒼紫
- 雪代縁
- るろ剣においては正義も強さの軸
- 北海道編の相手
このページのポイント
こんな人向け
- るろ剣を読んだことないけど知ってる人
- 軽く読んだことがある人
伝えたいこと
- 各キャラの掲げる正義が分かる
- るろ剣を読む上で各キャラの掲げる正義は絶対外せない
ネタバレ
- ネタバレあるのでご注意ください
始めに
るろ剣が好きな人は、各キャラの掲げる正義というものが話の中でどれだけ大切か、ということは多分大体知っていると思います。
(正義というか信念、という方が近いかもしれませんが)
ただ、その割にそこに触れているものってネットに無いなぁと思ったので書きました。
緋村剣心
剣心の持つ正義は「弱者救済」「不殺(ころさず)」の2つでしょう。
「不殺」の方は、最初からはっきり単語として出てきているのであまり詳しくなくても知っていると思いますが、むしろ「弱者救済」の方こそ剣心がずっと昔から持っていた信念です。
剣心が飛天御剣流の修行を投げ出して、人斬り抜刀斎として戦ってきたのも、弱者が虐げられている世の中が許せなかったからです。
そもそも剣心は子どものころから自分たちを襲ってきた野盗の墓を作るぐらい他人を想える人間です。
人斬りをやめてからもその気持ちはずっと変わらず、権力に属さない自由の剣として人々を守るために戦っています。
剣心が一度廃人と見まごうほどにボロボロになった時に再び立ち上がったのも、燕が剣心に助けを求めたからでした。
特にこのあたりがはっきりするのは志々雄との戦いの中でしょう。
ここの細かい話はいつか書くであろう志々雄にフォーカスを当てた記事の中で触れたいと思います。
「不殺」の方は、剣心が持って生まれたものと言うより、人斬り抜刀斎時代の経験から生まれた考えです。
(持って生まれたものなら最初から人斬りになんてなってないでしょうしね)
とはいえ剣心は最初から快く人を斬っていたわけではなく、あくまで人々が安心して暮らせる世の中を目指して人斬りになっています。
しかしどれだけ人を斬っても時代は変わらず、剣心自身が病んでいき何のために人を斬っているのかも分からなくなっている状態でした。
その中で出会った雪代巴(緋村巴)に救われ、新時代が来るまでは人を斬り続けることになるであろうことは予期しつつ、その後は斬らずに救える人々を守る道を探すことを宣言しています。
まぁ少年誌的に主人公が人殺しまくるのはどうなんだってところから生えてきた設定かもしれませんが。
剣心の魂は逆刃刀とともに弥彦に受け継がれていって、殺人剣である「飛天御剣流」は剣心で途絶えることになるでしょう。
(OVAのように息子の剣路が独自に飛天御剣流を受け継いじゃう可能性はありますが)
相楽左之助
正義が悪というのは、矛盾している気がしますが、左之助の掲げる正義は「悪一文字」で、それをアピールするように、背中に大きく「悪」という大きな一文字を書いた服を着ています。
彼は子どもの頃に赤報隊に属しており、「悪一文字」にはその時の出来事が関連しています。
(るろ剣において)赤報隊は四民平等を目指し、人々のために活動していました。が、明治政府に良いように扱われ、最後は悪者(ニセ官軍)として処刑されました。
左之助はこの出来事が原因で明治政府、およびそれを作り上げた維新志士たちを非常に憎んでいます。
また、明治政府同様に、自分を正義だと思っている人、悪事を正義だと言い張る人間を特に嫌います。
左之助の気持ちは推し量ることしかできませんが、以下のような理由で「悪一文字」を背負っているのだと思います。
- 明治政府が赤報隊に「悪」を背負わせたこと
- 明治政府のように正義ヅラはしないという宣言
剣心も人斬り抜刀斎(=維新志士の代表格の一人)なので、最初は剣心にもつっかかっていましたが、剣心自身が明治政府を嫌い、権力に属さない自由の剣を持って戦い続けていること、何より剣心は赤報隊が願っていた弱者が虐げられない世の中と同じところを目指していることを知って、剣心のことを認めています(当然明治政府は別)。
剣心は自分のことを正義とは絶対言いませんしね。
また、赤報隊の生き残りである左之助と月岡津南が暴走してテロ行為をしようとしたときは、剣心が「多くの人を巻き込む危険な行為である」という理由のほかに「赤報隊を本物のニセ官軍にしないため」に止めているあたり、剣心も赤報隊を高く評価していることがうかがえます。
原作漫画にもありますが、このエピソードが描かれる旧アニメ24話は本当に好きなのでもし良かったら見てみてください。
ちなみに「悪一文字」は弥彦と、左之助の弟である央太に受け継がれています。
(央太はまだ小さく、ただ左之助に憧れていただけなのでその意味を理解してはいなかったと思いますが)
斎藤一
これは本人がはっきり言っている通り「悪・即・斬」でしょう。
剣心の「不殺」とは真逆を行っています。
ただ、幕末はともかく明治時代では戦う相手の基準は剣心と同じ……つまり、剣心同様弱者のために戦っています。
警察なので治安維持というのもあると思いますが。
幕末時代は維新志士側と幕府側が戦っていましたが、剣心や斎藤に限らず、決して戦った相手を間違っているとか憎んでいるという描写は殆どありません。
この2人もそんな感じです。
「維新志士への鎮魂歌」という劇場版アニメで、あの頃は情報が錯綜して何が正しいか分からなかった、という言葉がある通り、立場としては敵同士であっても目指している場所は同じだったという感じでしょうか。
口が悪かったり、やり方が強引だったりダークヒーロー的なポジションです。
ボクとしては剣心の「ライバル」をあげるならこの人ですね。
志々雄真実
剣心と完全に真逆を行っている人。
「この世は所詮弱肉強食。強ければ生き、弱ければ死ぬ」とはっきり言っており、剣心の「弱者救済」とは完全に相容れません。
更に剣心とは違い平然と人を斬れる人。
ただ、作中では彼が間違っているとはっきり言ってはいなく、また、今我々が生きてる時代も「弱肉強食」と「弱者救済」が混在しているあたり、どちらも間違っているとは言い難い。
剣心から人斬り抜刀斎の役割を継いだ人間で、当然すさまじい実力の持ち主です。
しかし、剣心とは違い抜刀斎になったのはあくまで自分の名声の為のようです。
抜刀斎がおこなった人斬りの中には表に出ると国家が揺らぐほどのものもあるので、それを闇に葬るために政府の手で暗殺されかけました。
(剣心も同様ですが、剣心がそれを使って政府を脅迫するなどは考えられないので見過ごされたのだと思います)
そのときの出来事の中でたどり着いた真理が「弱肉強食」。
明治政府としては、志々雄が自ら組織を結成して明治政府を倒して国家転覆を目論んでいるのは、政府に対する復讐だと考えていました。
が、実際にはそれは違い、「富国強兵」を目指していたらしいです。
ただ、その中身は弱者は強者の糧になるという剣心からしたら絶対に受け入れられないものでした。
この人は剣心と多数の類似点、相反している点があることも含めて剣心最大最悪の敵というのは間違いないでしょう。
(そして志々雄から見たら剣心こそ最大最悪の敵、ということになると思います)
剣心と相反している点
- 「弱肉強食」と「弱者救済」
- 人を斬るか斬らないか
剣心と類似している点
- 人斬り抜刀斎であった(1代目が剣心で、2代目が志々雄)
- 使っている刀の刀匠
- 剣の腕・頭の良さ
瀬田宗次郎
志々雄の最強の懐刀。剣心たちと肩を並べる実力の持ち主。
志々雄に救われた経験があり、その影響で志々雄の「弱肉強食」を崇拝しています。
宗次郎がそうなるに至った過去の出来事ですが、彼は妾の子であることから家族に疎まれており、使用人のように働かされ、虐待もされていました。
その中で政府に追われる志々雄と出会い、「虐待されるのは生まれじゃなくて、お前が弱いのが悪い」と言われ、助けたお礼に刀(脇差)を託されます。
志々雄をかくまっているのが家族にバレて、ついに殺されそうになり、託された脇差で全員を斬り殺します。
(武装している人間もいたのに全員を一方的に殺せるのは本当に天剣の持ち主ですね……)
ただ、あくまで志々雄を崇拝しているのは「自分のことを救ってくれたのが志々雄だったから」というぐらいで、心の底からその考えに賛同していたわけではなく、実際にはその後雨の中で泣いていました。
そして剣心と戦っている最中、今なおその時の苦しみの中にいることを遠回しに指摘されて、ついに抑え込んでいた感情が暴走してしまいます。
剣心に負けた後は、正しいのが志々雄なのか剣心なのかを知るための旅に出ます。
家族を斬った時に泣いてたり、普段穏やかな様子からどちらかというと剣心に近い印象がありますが、北海道編を見るに本来は剣心側に近いというわけでもなく、未だにどっちつかずの状態になっています。
四乃森蒼紫
あまり正義らしいものを持っている印象はないけど、剣心と2回目に戦ったとき、すなわち「修羅」と呼ばれていた時。
この時は「最強」であることに妄執していました。
それを目指すようになったのは、御庭番衆の仲間が殺され、彼らのために「最強」という華を墓に添えるため。
元々御庭番衆は(確か)幕府側の組織で、自負としては最強であるものの結局活躍の機会を与えられないまま明治になってしまい、そのために御庭番衆の仲間の為にも「最強」という称号を欲していました。
その御庭番衆の仲間が死んだ苦しみを受け入れきれなかった蒼紫は、「4人のために最強の称号を得る」という名目で凶剣を振るう「修羅」になってしまいました。
剣心との奥義対決になった時にはもう本来の自分に戻っており「最強」に固執することはなくなっていました。
蒼紫は志々雄に「剣心同様人のために剣を振るうタイプ」と言われていますが、弱い人のために剣(拳)を振るうというより身内に対する思いやりが強いタイプなのでちょっと違うかもしれませんね。
雪代縁
正義は「人誅」。天に代わって自らが裁きを下すという意味。
言ってしまえばものすごいシスコンで、その姉(剣心の前妻)を斬った剣心に裁きを下すということ。
明治剣客浪漫譚(最初のるろ剣)のラスボスで、志々雄が剣心と対極を行く敵とすれば、こちらは剣心の罪の象徴。
一戦目は罪の意識から全力を出せずに剣心が負け、二戦目では姉の幻影が微笑まず(=自らが間違っているのではないかという疑念?)縁が負けました。
るろ剣においては正義も強さの軸
今ここで挙げたキャラで、左之助以外は剣の腕は最強格、全員大差ない強さと思われます。
この中で戦績を書くと以下のようになります。
- 剣心 vs 斎藤→決着つかず
- 剣心 vs 志々雄→決着つかず(志々雄が人体発火で死亡)
- 剣心 vs 蒼紫→剣心勝ち
- 剣心 vs 宗次郎→剣心勝ち
- 剣心 vs 縁→剣心勝ち
この中で斎藤(悪・即・斬)と志々雄(弱肉強食)は揺るがない正義を持っており、また、この二人を相手しているときの剣心は全力で戦っています。
そして結果、決着はつきませんでした。
(まぁ志々雄は戦いの中で死亡しているので、ある意味決着が付いているかもしれませんが)
それに対して、蒼紫・宗次郎・縁は自らの正義に疑念を抱いた結果負けており、尚且つ剣心もこの人たちと戦っているときは、倒すために全力で戦っているというより諭すために戦っています。
ということで、るろ剣においては自らの正義をどこまで信じられるか、というところも強さとして現れてる感じですよね。
北海道編の相手
余談ですが、北海道編の相手はこのあたりが曖昧な感じだなと思います。
一番存在感が強い凍座も、強さジャンキーという感じですが、その割には鍛錬の果てに得た強さというより「赫力」という離れ業に頼ってる感じ……いや「赫力」も鍛錬で得た能力だろうけど。
斎藤は「悪・即・斬」が揺らいでるみたいですし。
斎藤にフォーカスを当てるなら宇水さんの弟弟子を出すより、剣心⇔志々雄ぐらい極端に反対なキャラを出してほしかったなと。