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ゲームレビュー「箱庭ロジック」
作成日:2019-02-16
最終更新日:2019-02-16
記事の文字数:4336
ゲームレビュー「箱庭ロジック」

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ゲーム概要
・タイトル:箱庭ロジック
・発売日:2014年10月31日
・ジャンル:ADV
・プラットフォーム:PC(Windows Vista/7/8 日本語版)
あらすじ
主人公・和久井新は、作られた街・千羽市で暮らす学生。
千羽市は通称“箱庭市”とも呼ばれており、都会のミニチュアとして数年前に人を集めて作られた街だ。
小さな街でありながら、都心と変わらない施設も多く、人口密度も高い。
新は10月のある日、鶴羽学園の学生会である紅鶴会へ呼び出される。
そこで会長である綺堂雫に、この事件の捜査をしてくれないかと頼まれる。
この街では、今年の4月から不思議な事件が起こっていた。
連続少女行方不明事件。 新の通う私立鶴羽学園では、4月から学生が6人も行方不明になっていた。
目撃証言が何もないところから、大きな事件ではないかと疑われている。
行方不明の学生とまったく接点がないから頼んだということ、学園側もこの事件を怪しく思っているらしいから、
なんとなく、それなりに、捜査をしているフリだけしてくれればいい……
新は面倒くさいと断ろうとしたが、雫はなぜか新がこの街に来る前に行なっていた創作活動――
厨二病全開の黒歴史小説の詳細を握っており、半ば脅されるように了承させられる。
手探りでなんとなく捜査を始める新。
すると唯一知り合いのド変態後輩・入谷瑚子が、行方不明の少女と親しかったらしく共同捜査を申し込んでくる。
また、突然現れた謎の少女―― 制服に探偵のようなケープをした少女・前園霧架が、この事件はこの街に大きく関わっている……と口にする。
探偵気取りの少女・霧架に、ド変態ドM元気っ娘・瑚子。
どちらかをパートナーに選ぶことで、物語は違った視点から動き始める。
箱庭の街・千羽市と、謎の失踪事件……。 操作を進めながら色々な人と関わり、物語のカギを集めていく。
さあ、新くん、ボクと一緒に、この街の秘密を暴こうじゃないか
ゲームの進み方
ルート分岐とルート開放

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前園霧架ルート・入江瑚子ルートの2つに分かれており、
霧架ルートからは真奈ルート・りるルート、
瑚子ルートからは雫ルート・萌美ルートに分岐するタイミングがあります。
かまいたちの夜のように、プレイヤーから見える形のフローチャートが表示されており、ここから自由に他フローへ飛んだり分岐状況の確認が行えます。
フローチャートの中には「鍵」と呼ばれる進行制限があるものもあり、他の話を読んで「鍵」を入手してからでないと進めない個所があります。
特に真相にたどり着く霧架ルートへは事実上、全キャラクタールートをクリアする必要があり、
他キャラクターのルートを進めていく内に断片的な情報が与えられ徐々に真相が明らかになっていきます。
箱庭の裏庭

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各ルートクリア後や話の合間に「箱庭の裏庭」という、本編とは別のキャラクター劇が繰り広げられます。
話の進め方のアドバイスや情報の整理、鍵がもらえたりなどがあります。
特にクリア後の「箱庭の裏庭」でのヒロインからのセリフは感慨深いものがあります。
誰かの日記

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各話のプロローグ的な位置づけとして、誰かの日記が入ります。
これもまた、話の中で重要な要素になっています。
主要登場キャラクター
前園 霧架(CV:手塚りょうこ)

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入江 瑚子(CV:小倉結衣)

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綺堂 雫(CV:唯香)

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桜庭 萌美(CV:白月かなめ)

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雨皿 真奈(CV:民安ともえ)

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りる(CV:八幡七味)

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感想
感想
中古で2,000いくらかで売っていたので購入しました。
正直、ErogameScapeでの評価もそんなに高くなかったし値段的にもそんなに面白くないだろうなぁと思いつつ、キャラクターもかわいかったし、軽くできそうだったので購入しました。
そしてプレイしてみて……
あれ! これ面白くね!?( ゚∀゚)
というのが正直な感想でした。
ミステリー的なADVだったので、どうせ自己満トリックの自己満シナリオなんだろうなぁ……と思いきや、結構先が気になるように丁寧に構成されたストーリーで、毎日睡眠時間を1~2時間削って結局全部クリアしてしまいました!!
まず、繰り返すように言いますが、ミステリーの旨味である「先が気になる!」はきちんとできているように思いました。
「あぁ、そういうことか……」「そんなことが……」という風に謎が一つずつ一つずつ解けていき、ミステリードラマを見ているような感じで進められました。
あと、キャラクターが良い。
各ルートに入って可愛いというのはもちろん、その不幸な境遇や、それでも前を向きたい気持ちを皆持っているというのが良かったです。
特に真奈やりるは「おおぅ……強く生きてくれ」という感じでした。

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まず霧架。基本的にクール、と思いきやむしろ周りに振り回されたり、自称探偵のくせに聞き込みが苦手というシャイな部分や友達いない感の方が目立っています。
しかしそれがゆえにたまに発揮する高い推理力と冷静さがかっこよく、際立っています。
この事件を絶対に解決してやるという使命感や自分を貫く強さもあって、メインヒロインにふさわしい性格です。
彼女が一番好きなキャラかもしれません。

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新の後輩でドM変態少女。
でも、序盤ではコミュ障の霧架より役に立ってる印象が強い。
誰にでも好かれる性格と言う通り、新・霧架・雫・萌美・新のママ、の全員から愛されています。
優しい性格でもあり、クラスでハブられていた行方不明者の被害者の一人「小早川絵里」のことも気に掛け、
彼女のために危険と分かっても事件の捜査に全力を尽くします。
瑚子も家庭環境は結構荒んでいるのですが、それでもこの優しい性格を持ち続けられるのは真性の良い子ちゃんなんでしょう。
屈託ない純粋さ・優しさ・主人公大好き・後輩とプレイヤーにとっても愛されキャラ。
彼女が一番好きなキャラかもしれません。

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にゃーん、でおなじみの彼女。
一番初めはモブだと思って個別ルートに入ったら、
可愛くてびっくりしたよ!( ゚Д゚)
彼女も瑚子同様に可哀想な家庭にいて、いつかみんなで暮らせるように頑張って働いています。
にゃーんは、お金のためにどちらかというとよくないことをしているのですが、でも本当に危険なことはなるべくさせないようにしていて、悲しみと優しさと幸せになりたい気持ちでできているキャラクターです。
彼女が一番好きなキャラかもしれません。

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ずっとずっと、大好き、にゃーんっ!

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圧倒的最年少キャラクター、りる。
途中から完全妹キャラクターになります。
この子には是非に幸せになってほしいです……
プレイしながら可哀想な……と言う気持ちと幸せにしたい気持ちが強まっていきました。
瑚子や真奈同様にずっと可哀想な境遇の中におり、多分一番かわいそうなのはこの子。
それが自覚できないのが尚のこと……。
せめて他の子と同じように暮らさせてあげてください。
彼女が一番好きなキャラかもしれません。

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行ってらっしゃい!
あと二人くらいヒロインがいますが、彼女らはまぁそうですね。嫌いじゃないです。
BGMですが、雰囲気に合っていてよかったです。
特に各ルートクリア後の箱庭の裏庭で流れる「箱庭の鍵」がヒロインたちのセリフと共に「あぁ……終わったんだな」ということを実感させてくれます。
あの曲かなり出来いいよね?
ヒロインの境遇や気持ちはよく理解できたのに、真犯人の思想がまるで理解できないことや若干個別ルートでだれることがあったり(と言ってもほかの作品に比べたら全然少ない方です)、気になるところはありましたが、総合的に見て大好きな作品です。
萌えゲーでも泣きゲーでもないのでエロゲとして人気になれないのはそうなんでしょうが、こういう作品がもっと出てきてほしいなぁ……。
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