最初に
怪談系の怖い話を載せています。
特に設定部分は人の手が入ってますが、なるべく生成AI(ChatGPT)を利用して書いています。
名簿の空欄
生徒会長のKさんは、放課後、生徒会室で一人作業をしていました。
机にはクラスごとの名簿が並び、翌日の行事に備えた確認作業が進みます。
部屋は静かで、夕焼けが差し込む窓が古びた机や椅子を赤く染めていました。
作業中、ふと棚の奥にある埃まみれの名簿が目に留まりました。
それは「昭和○○年度 生徒名簿」と書かれた古い帳面で、ところどころ表紙が擦り切れています
。不思議に思ってページを開くと、中には無数の名前がぎっしりと書かれていました。
しかし、ページの途中からは異様な光景が広がっていました。
名前の横に、かすれた字で「骨折」「失明」「転落」といった文字が書き込まれているのです。
さらにページをめくると、ある生徒の名前が消え、その下に「事故死」と記されていました。
突然、部屋の鍵がカチャリと音を立てました。
Kさんが振り返ると、誰もいないのに鍵が勝手に閉まっていました。
寒気を感じながらも、机に戻り名簿を調べ続けます。
最後のページにたどり着いた時、驚くべきことに気づきました。
そこには今の生徒の名前が記されており、空欄の横に「未定」とだけ書かれていたのです。
Kさんは悪い予感を抱き、急いで名簿を閉じました。
しかし、その瞬間、ペンが勝手に動き始め、自分の名前をその空欄に書き加えました。
驚いてペンを手に取ると、手の甲にじわりと熱い痛みが走り、小さな切り傷ができていました。
その翌日、Kさんは学校で階段から足を踏み外して骨折しました。
保健室で治療を受けながら、昨日見た名簿を思い出します。
そして気づきました。
名簿に名前を書かれると、その人に災難が降りかかることを。
しかしそれで終わりではありませんでした。
名簿の最後のページには、新たな「空欄」が生まれ、再び「未定」の文字が記されていました。
そして、その空欄が埋まるたびに、次の「未定」が生まれるのです。
その名簿は、災難を次々に運ぶ鎖のような存在であり、埋まった空欄が増えるたび、学校全体に奇妙な事故が続くようになったと言います。
Kさんはその名簿を捨てようとしましたが、どこに隠しても、翌日には必ず生徒会室の棚に戻っているのだそうです。
放送室のノイズ
Nさんは放送委員のメンバーで、翌朝の放送に使う音楽を準備するため、放課後一人で放送室に残っていました。
放送室は校舎の最上階にあり、普段から静けさが漂う場所です。
その日は特に薄暗く、空気が重く感じられました。
機材のチェックを始めると、突然スピーカーから「ザザ……」というノイズが流れ始めました。
不規則な音が繰り返されるたびに、不快な感覚が増していきます。
「また機材トラブルかな……」と呟きながら、配線を確認しましたが、特に異常はありません。
ノイズが止む気配はなく、やがて低い音が混ざり始めました。
それはまるで何かがスピーカー越しに呼吸をしているかのような音でした。
Nさんは背筋に寒気を感じながらも作業を続けていましたが、ふと放送室の窓に目を向けました。
窓ガラスには、うっすらと手形が浮かび上がっています。
「誰かが外から触ったのかな……?」と思い、窓の外を確認しましたが、放送室の窓は地上からかなり高い場所にあり、誰も届くはずがありません。
さらに、手形はガラスの「内側」についているようでした。
Nさんは手で拭ってみましたが、その手形は消えませんでした。
よく見ると、その形は普通の人間の手形よりも長く、指先が微妙に曲がっていました。
気味が悪くなり、窓から目をそらしましたが、その瞬間、背後で「カタッ」と椅子が動く音がしました。
振り返ると、誰もいないはずの放送室で、机の上のマイクが僅かに揺れていました。
スピーカーのノイズも突然止まり、部屋は静寂に包まれました。
翌朝、放送室の確認のため教員に報告しました。
機材や窓を調べてもらいましたが、窓は内側も外側も掃除されており、手形は消えていました。
ただ、手形について伝えたとき、教員がこう言ったのです。
「放送室の窓、内側に手形がついていたの? おかしいな。あの窓、内側にフィルムが貼ってあるから、触れたとしても跡はつかないはずだけど……」
それ以来、Nさんは放送室での作業がどうしても怖くなり、他の委員に譲るようになったそうです。
ただ、その後も放送室を訪れた生徒が、スピーカーのノイズにまじって何か聞こえた気がすると言うことがあるのだとか……。
更衣室の隙間
放課後、Mさんはプールでの補習授業を終え、更衣室に向かいました。
その日はクラス全体でプールを使っていましたが、友人たちは先に着替えを済ませて帰ってしまい、更衣室にはMさん一人だけが残りました。
濡れた水着を脱ぎ、ロッカーからタオルを取り出したとき、Mさんは妙な視線を感じました。
背後に誰かが立っているような、じっと見つめられているような気がしたのです。
振り返ると、更衣室は静まり返り、床に広がる水滴だけが薄暗い蛍光灯に照らされていました。
「気のせいだよね……」
そう自分に言い聞かせながらも、どうしても視線が気になり、Mさんは更衣室全体を見回しました。
そのとき、ドアの下にあるわずかな隙間に、何か黒いものが動いたように見えました。
「誰かいるの?」
思わず声をかけましたが、返事はありません。
ドアの隙間に目を凝らしてみると、向こう側から視線を感じる気がしました。
けれどもそこに人影はなく、風も吹いていないはずなのに、隙間からわずかに冷たい空気が流れ込んでくるようでした。
Mさんは不安に駆られ、急いで服を着始めました。
そのとき、またカサッという音が更衣室の奥から聞こえました。
振り返ると、床に濡れた足跡が一つ、ポツリとついています。
それはMさんのものではなく、更衣室の奥のシャワールームから続いているようでした。
「他に誰か残ってるのかな?」と思いながらも、Mさんは足跡をたどる気にはなれませんでした。
急いで荷物をまとめ、更衣室を出ようとしたその瞬間、ドアが「ギィ」と小さく音を立てて動きました。
恐怖を感じながらも、何とか外に出ると、プールサイドには誰の姿もありません。
次の日、Mさんは友人にその話をしましたが、友人たちは「それって、誰かが更衣室に残ってたんじゃないの?」と軽く流しました。
気になったMさんは教員に相談し、確認をしてもらうことになりました。
教員たちは防犯のためにプール近くの監視カメラを調べましたが、そこには異様な映像が記録されていました。
Mさんが更衣室を出る直前、確かにドアの外側に誰かが立っていました。
その人物は全身を黒い服で覆い、顔は見えません。
ドアの隙間から中をじっと覗き込んだあと、更衣室の周りを一巡してそのまま姿を消していたのです。
結局、その人物が誰だったのかは分からず、更衣室には防犯強化のための対策が取られることになりました。
ただ、その後もプール付近では時折視線を感じるという噂が広がり、誰も一人で更衣室を使うことはなくなったそうです。
モニターの中の背中
放課後、Sさんはコンピューター室に残って課題を片付けていました。
その日は特別に先生から許可をもらい、利用していたのは自分一人だけでした。
薄暗い室内にはモニターの光だけがぼんやりと点いていて、キーボードを叩く音が静寂の中に響いています。
課題が一段落し、最後に提出用のファイルを学校のサーバーにアップロードしようとすると、ログイン画面が表示されました。
ユーザー名とパスワードを入力する欄がありましたが、何度入力してもエラーが出ます。
「間違えたかな……」ともう一度入力しますが、結果は同じです。
不思議に思って画面をじっと見つめていると、モニターの奥から「カタカタ」という小さな音が聞こえました。
それはまるで、誰かが別の場所でキーボードを叩いているような音でした。
その音に気を取られていると、画面が一瞬フリーズし、真っ黒になりました。
次の瞬間、モニターに薄暗いコンピューター室の映像が映し出されました。
それはまるで、誰かが部屋を監視しているようなアングルで、モニターの中には自分の背中が映っています。
「何これ……?」Sさんは混乱しました。
その映像に映っているのは、今のこの部屋の様子そのものです。
さらにモニターの隅に、何か白い影のようなものが一瞬映りました。
慌てて振り返りましたが、そこには誰もいません。
ただ、キーボードの「カタカタ」という音だけが続いています。
恐怖を感じたSさんはすぐにパソコンをシャットダウンしようとしました。
しかし、画面には赤い文字でこう表示されていました。
「ログイン成功。あなたの番です」
その瞬間、モニターに表示された映像が急に変わりました。
そこには、数列と英字が無数に流れる画面の中で、薄暗いコンピューター室の中を動き回る何かの影が映し出されています。
それはSさんの机の近くまで来ているように見えます。
Sさんは恐怖に駆られ、急いでコンピューター室を飛び出しました。
その夜、家に戻っても、何度もあのモニターの光景が頭をよぎり、眠れませんでした。
翌日、Sさんは友人にその話をしましたが、誰も信じませんでした。
しかしその後、別の生徒がコンピューター室を使った際「自分が触れていないパソコンのモニターにログイン画面が勝手に表示され、謎の英数字が流れ出した」と言い出しました。
それ以来、コンピューター室を使うときには「勝手に点いたモニターには近づくな」という暗黙のルールができたそうです。
ただ、その警告を無視した生徒がログイン画面に何かを入力すると、画面に自分の背中が映し出されるという噂もあるのだとか……。
結びの言葉
いかがでしたでしょうか? そろそろお別れの時間がやってまいりました。またこのようなお話をご用意して、皆さまをお迎えできればと思います。それでは、どうぞお気をつけてお過ごしください。
ただ、その特別な空間に、もし長い歴史の中で積み重なった「異質なもの」が紛れ込んでいたら……。 それは、誰かが意図したわけでもなく、自然とそこに根付いたものなのかもしれません。
鍵の掛かった棚、見慣れた名簿――ただの日常のはずが、いつの間にかその一部が狂い始める瞬間があります。 そんな些細な違和感を見過ごした時、後悔しても遅いのかもしれません。