著作物の要件
著作権法第二条の一には以下の記載があります。
思想又は感情を創作的に表現したものであつて、文芸、学術、美術又は音楽の範囲に属するものをいう。
これらから以下4つを成立要件としているそうです。
- 「思想又は感情」が込められていること→人が創っていること。動物やロボが作った物は含まれませんよ。
- 「創作的」であること→個性があること。誰が作っても同じになる物は含まれませんよ。
- 「表現したもの」であること→表出されていること。頭の中にあるだけでは駄目ですよ。
- 「文芸、学術、美術又は音楽の範囲に属するもの」であること→主に産業財産権の対象でないこと。別に左の4つに含まれなくても人間の知的活動によって出来た物ならいいですよ。
著作物の例
以下の例が示されています。
第十条 この法律にいう著作物を例示すると、おおむね次のとおりである。
一 小説、脚本、論文、講演その他の言語の著作物
二 音楽の著作物
三 舞踊又は無言劇の著作物
四 絵画、版画、彫刻その他の美術の著作物
五 建築の著作物
六 地図又は学術的な性質を有する図面、図表、模型その他の図形の著作物
七 映画の著作物
八 写真の著作物
九 プログラムの著作物
特殊な著作物
以下特殊な著作物があるそうです。
十一 二次的著作物 著作物を翻訳し、編曲し、若しくは変形し、又は脚色し、映画化し、その他翻案することにより創作した著作物をいう。
十二 共同著作物 二人以上の者が共同して創作した著作物であつて、その各人の寄与を分離して個別的に利用することができないものをいう。
(編集著作物)第十二条 編集物(データベースに該当するものを除く。以下同じ。)でその素材の選択又は配列によつて創作性を有するものは、著作物として保護する。
(データベースの著作物)第十二条の二 データベースでその情報の選択又は体系的な構成によつて創作性を有するものは、著作物として保護する。
「二次的著作物」は元の著作物をもとに新たに作り出した著作物で、マンガ原作とかのアニメとか映画とかが当たるそうです。よくある同人活動とかもこれに当たるでしょう。
「共同著作物」は誰かと一緒に作って、それらを人ごとに分割できない場合。
「編集著作物」は例えば生成AIで何かを作って、それらから自分好みの数個を選んだ場合が当たりそうです。
「データベースの著作物」は、独自の職業分類によって電話番号を分類したデータベースに著作権が認められた判例(東京地判平成12年3月17日、判時1714号128頁 タウンページデータベース事件)があるそうです。
保護対象となる/ならない著作物
ここは割愛しますが、外国人(法人)の著作物や、国などの公的機関が公表している物には適用されないケースがあるそうです。